俺が本当に欲しているのはお前だけなのに。
足りない分を補うという行為は、所詮は誤魔化しだから、いくら代わりを見つけたところで枯渇した心の源は埋まらない。埋められない。
「淫乱」と俺を貶める言葉をつぶやいたヤツの声には、もう温度のある感情はこもっていない。
「じゃあ、俺が何ヶ月ヤらずにいたら抱いてくれんの」
たまに「僕を振り回して楽しいですか」と恫喝していた唇は、最近では引き結ばれたまま言葉を発しない。
お前が少し譲歩してくれたら、俺は穢れずにすんでるのに。
思い通りにならないお前に抱いている感情は、今はもう、復讐に近い。
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