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忍禁書外伝的日々妄想

基本ヤマカカで暴走モード。完全腐女子向け。
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『繋いだ手(テンカカ)』

繋いだ手
 
ツーマンセルを組んだ任務中。地図をしまった先輩がおもむろに、そう、何の気負いもなくあまりにも自然に手を繋いできたから、僕は驚いて固まった。
「はぐれたら大変だから」
至極当然のことを言っている。そんな先輩の態度に再度驚く。
先輩の手は、冷たいというほどではなかったけれど、さらりとして体温が低めで、逆に先輩に握られた僕の手が、汗ばんだら、イヤだ・・・、と馬鹿なことをかなり真剣に考えてしまう。
いつもより近い位置で先をいく先輩の後頭部を見つめながら、僕は先輩に握られた緊張で強ばる腕から何とか自然に力を抜こうと努めていた。
「・・・いつもこうやって誰かの手を引いてるんですか?」
純粋な疑問だったのだけど、変な質問だったかもしれない。
変といえば、いい年した暗部の人間が手を繋ぐという前提してから変だ。
ちょっとの間があって、そっけなく先輩は言った。
「引かないよ。後輩なんてお前ぐらいしかいないもん」
「あ、そうですか・・・」
我ながらなんて面白味のない返事だと思い、何となく先輩の顔色を窺ったけれど、前を見ている先輩の表情に変わりはなかった。
ふと、「後輩」と言った先輩の言葉に記憶が刺激される。あの生意気な暗部の新入りが、言葉だけは慇懃に「あなたが写輪眼の・・・」と先輩を値踏みするようにねめつけたあれは何ヶ月前だっただろうか。結局彼が殉職を免れたのは先輩の尽力によるところが大きかったというのに、人づてに聞いた話では入院先で先輩を名指しで罵り一悶着起こしたという。
「先輩」
思わず呼びかけ、繋いだ手に力が入ってしまった。
「なに?」と言いたげな先輩が振り返ってきたけれど、それに首を振って、僕はかわいげがないと仲間達に評される深刻な不機嫌顔を崩そうとして笑った。
 
*******
お互い「?(この人って謎)」なふたりですね。これ。
誕生日なので乙女チックというかハッピー系をと思ったのに、ストックネタの中ではこれが一番らぶかったという・・・。


すみません。色々と言い訳は次回に…。
文章も半年ぶりぐらいで酷いですが取り急ぎ、隊長誕生日おめでとう。大好き。先輩も大好き。
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