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忍禁書外伝的日々妄想

基本ヤマカカで暴走モード。完全腐女子向け。
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『ヤマト隊長と暗部カカシ君(テンカカ)』

『目は口ほどにものを言う』とは、よく言ったものだ…。
任務の延長といった具合に同僚と食事をしている最中から、その視線は僕にまとわりついていた。
隠れようとは思っていないのだろう。でも、素直に降りてくるには腹の虫が収まらないといったところか。
同僚のくのいちも物問いたげにこちらを窺っている。
僕はため息をついた。
食事を済ませてすぐに出ると、カカシが潜んでいそうな木の上を見つめて声をかける。
「カカシ、いるんだろう。出ておいで」
おちおち食事ものどを通らないような殺気を撒き散らしておいたくせに、呼びかけても返事はない。
「カカシ」
苦笑しながら呼ぶと、カカシは店の軒先から音もなく姿を現した。
暗部服だ。面は外している。目が険しい。怪我は。
「カカシ、その腕は」
「大した怪我じゃない」
僕の視線を先読みしたカカシが、そっけなく答える。
決して僕の隣に立つ同僚の方を見ないでいるカカシが、にやありと凄みのある笑い方をした。
一瞬、ぎくりとする。
その笑いを深読みしないで済むには、生憎いろいろと身に覚えがありすぎた。
「大した怪我じゃあ、ないよ」
体を交えたことのある記憶が、その視線に多少僕をひるませる。
「でも……毒の可能性は、あったりして、ね?」
有無を言わさずカカシの二の腕をつかんで傷口の匂いをかげば、まだ真新しいその箇所が引き攣れてじわりと体液が染み出してきた。
舌でその味を確かめるべく強く吸い出すと、カカシは僅かに身じろぎして「あ」と吐息のような喘ぎを漏らした。
わかってるよ。
この性悪。
牽制しておきたいんだろ。
カカシの流し目を受けたくのいちは、もちろん赤面するほど初心な女でもなかったから、面白い物を見たといわんばかりの微笑みを浮かべ「私はこれで。ヤマト隊長」と言い残して去った。
この隠れ里で、口が軽いのは男も女も同じ。
これからは閨に少年を送り込まれるんだろうな。
同僚が去るなり大人しくなってうつむいたカカシは「もういい」と不機嫌に僕を腕から引き剥がした。
「毒なんて嘘。そんなヘマ俺がするわけないじゃない」
知ってるけどね。
でも、そんな酔狂をやりかねないカカシの気性も同時に知ってるわけで。
「……お前、お嫁さんが欲しいの?」
なんでそういう、かわいいことをわざわざ言うのかなぁ。
俺がいるのに…。
つぶやきは小さくて聞き取りづらかったけど、僕は小さくてかわいかった時代から知っている銀髪を撫でて、彼が望む言葉を心をこめて贈った。
「カカシがいるのに、そんなこと僕が思うわけないじゃないか」
ぱっと顔を上げたカカシは、突然僕の首に腕をまわして抱きついてきた。
「もう歩けない。抱っこ!」
「はいはい」
甘いなあ、僕も。
そう思いながらカカシの背中に手を回して、無事に還ってきた僕のカカシにくちづけた。

*****
勢いに身を任せて、『仔先輩がそのまま成長したら』の流れでパラレルっぽいものを少し。
個人的にヤマト隊長と暗部カカシ君の脳内画像はとても新鮮でした。ごちそうさま(合掌)。
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