下品注意報発令。
一応コトの最中ということになってます…。
任務後に先輩の部屋に上がりこみ、愛の営みに励んでいる最中。
「ねぇ」
下になっている先輩が、ちょっと首を傾げて僕を見上げてきた。
「何だか今日も、長くない?」
「……な、長い…ですか?」
確かに、カカシ班の隊長になって、ナルトの修行を先輩と一緒にみるようになってから日が経つから、任務ですれ違って数ヶ月も会えなかったことが珍しくない頃と比べれば、僕ががっつくことは少なくなったかもしれない。
正規部隊に配属されてから随分と穏やかになった先輩は、昔の自分を棚にあげて、僕のことをたまに「餓えた獣みたい」と表現していたけど、実際先輩に餓えていた僕は、たまに会えた時は嬉しくて感情のままに何度も求めて抱いたりしていた。
長い、か…。
ようやく、ゆっくり先輩を味わえるようになったんだけど…。
「こういうの、や、ですか?」
先輩、激しい方が好きなんだろうか。
「違う。そうじゃなくて…」
僕のゆっくりした動きに合わせて、肌をすりよせてきていた先輩は、ふいに僕の頭をくしゃくしゃにしてにこっと笑った。
「すまん。変な気使わせて。テンゾウ疲れてるのかなーとか、それか俺のしまりがイマイチなのかなー意識的に締めた方がいいのかなーって、ついついいろんなこと考えてな」
「……」
昔の先輩は、口が生意気で、下のクチも生意気なぐらい攻め攻めで狭かったけど、少年っぽく思考が潔癖で、羞恥心も半端なかった。下ネタにも耐性がなくて、僕が少しでも失言したら、
「な、なんてこと言うのよ、お前! もうお前とはしない!」
なんて手に負えないぐらいに拗ねて、僕に謝らせて、キーキーかわいく怒ったりしたものだけど。
「実はさー。この間、ちょっとケツ穴のメンテナンスに行って来てな」
僕のを咥え込んだまんまで、おっさんになった先輩はあけすけだ。
「え。もしかして、どこか痛かったんですか」
「いや、違う。ちょっとむず痒くって。だから、ま、ついでにな」
「ついで、ですか……」
こんな発想は呆れられるかもしれないが。
「……あの、先輩。僕以外の男に見せたんですか」
治療だから、卑猥な意味なんかないのはわかっているが、白い診療台の上で先輩がとった痴態や何かを想像すると心穏やかではない。
そんな僕の気も知らず、先輩はあっさりと否定した。
「ううん。女医だった」
「あ、そうですか。女医ですか……」
……。
でも、女の人も何か……。
「んでね。オカマさんだってばれちゃった」
「何でですか」
「あんたの彼氏ってこれぐらいの太さでしょって」
て。
「は!? はああああ!? 何ですか。何ですか、それ。何で、僕、見知らぬ女医に品評されにゃならんのですかぁっ!」
「あら。よくわかったわねって、俺、びっくりしちゃってさ」
「な、なに肯定してるんですか! って、その指の輪っかはやめてください!」
「だってその女医さんがこんな風に」
「も、いいです…」
「あ」
「……」
「テンゾウ。今、これぐらいに縮んじゃってるよ?」
「……だから、その輪っかは」
「俺より、テンゾウの方が通院の必要があったりして……」
僕は先輩の腰を抱えなおした。
「……必要、ないですっ」
無理はしないでね? 俺、できなくても大丈夫…とでもいうような視線が屈辱的だ。
狂う。狂う。
長いことこの人に狂っているけど、三十路間近になって初々しさを失った先輩の言動にはホントに調子を狂わされる。
「でも、好きだからね?」
できなくても、って意味か。
「こっちのセリフですっ」
ホント、狂う。
* * * *
三十路カカシは案外テンゾウの反応に敏感で、何気に気を回してると思うんです。ただのメンテナンスなんて、嘘嘘。
ていうか、例の原作の朗読シーンからすると、女医さんとそういう会話するなんて、カカシには無理か…。そうなのかい、カカシよ…。
理想郷
微えろです