忍者ブログ

忍禁書外伝的日々妄想

基本ヤマカカで暴走モード。完全腐女子向け。
MENU

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

『ヒロワナイデクダサイ』(猫耳テンカカ)

まつ様のところのめちゃくちゃキュートな猫耳テンカカに、のぎわさんとふたりで萌え倒しました。
そんなチャットの生成物。
最近「可哀想でかわいい」が萌えワードです。こんなテンゾウも萌える…。

* * * *

思い出すだに、独り言の多いオカマだった。
『見目はいいのにねぇ。もったいないわぁ。オッド・アイにしようとして赤い目を移植した方の目蓋には傷がついちゃったし、しかも閉じちゃって滅多に開こうとしないのよこの仔は。愛玩動物のクセに媚びうることもできないし、それに何より面構えがねぇ、カカシ君』
尻尾を握られて、俺はふぎゃあ!と牙をむいた。「ホントに生意気ねぇこの仔はあ」とさらに痛い目に遭わされただけで、もちろん敵いはしなかったが。
売りに出されるには少々トウが立ち過ぎていて、もう少し経ったら廃棄処分か種猫か、という運命の転換期を迎える頃、俺は鎖を引きちぎってペットショップから脱走した。
逃げるついでになんとなく、クローン猫のテンゾウも連れてそこを出た。
蛇オカマめ。何やら特殊な遺伝子を埋め込む実験にのめり込んでこいつには相当目をかけていたから、逃げられたと知れば悔しがるに違いない。
ほくそ笑む俺とは対照的に、無理矢理俺に連れ出されたテンゾウの表情は暗かった。
もとより脱出にしり込みしていたテンゾウは、建物から出た途端日の光に驚いて余計にびくびくしている。
俺はテンゾウの首輪から伸びている鎖を引っ張った。
「これからは野良として逞しく生きていくよ、テンゾウ」
「……はい」
声が小さい。声が。
もともとこいつは人生をどこか諦めたような辛気臭い顔してるんだーよね。連れの人選間違えたか? と思いながら、とぼとぼ後をついてくるテンゾウを振り返る。
「テンゾウ」
「な、なんですか」
「ちょっとあの魚屋から秋刀魚盗んできなさいよ」
「えっ!?」
テンゾウは脱走したばかりなのに、早速ですか…? と上目遣いで見てきたけど、俺は顎でしゃくって早くと促した。
えいやっ!と必死の突撃隊になったテンゾウは、なかなかに見所のある雄だった。まだまだ慣れない任務のためか、ちょっとへっぴり腰ではあったが。
野良猫界の帝王になるのもいいかと思う反面、俺に惚れた雄に大事にされかしずかれ貢がれる生活を夢見ている俺としては、「なかなかやるじゃない」と遠慮なくあがりを頂戴した。
テンゾウはほとんど骨だけになった俺のお残しをぺろぺろなめていて、やっぱりそれでは足りなかったらしい。
腹をさすって屋根の上で横になっている俺の隣でしばらくうつむいていたが、再び餓えた決死の突撃隊になって魚屋に飛び込んで行って捕まっていた。
どうせならそこで飼われろ、と見捨ててもよかったが、人間の罵声に脅え丸まってぶるぶる震えている様子を見てしまったら、なんか、ねぇ?
颯爽と助け出してやったら何やら尊敬の念いっぱいに感謝されたが、腹は減ったままのようだった。やれやれ。
こういうのも、縁っていうのかねぇ。ガラじゃないんだけど。
「これ食べて、元気だしな」
救出ついでにくすねてきた鯛を食べさせてやる。
「すごいです。先輩!」
ふん。バカめ。俺は自分に出来ないことを他人にやらせるほど無能ではない。鍛えてやっているのだ。
脱出してから初めてにぱっと笑ったテンゾウを思いがけず「かわいいかも」なんて感じながら、俺はあくびを噛み殺した。
さて、明日からはこいつをどうこき使おうか。
PR

Comment

ぎゃ――――――

  • 松本
  • URL
  • 2008-05-15 08:30
  • edit
これ読んでまつ様の所行って見て、再びあの絵で
もっかい読みなおしました。ごはぁっ(吐血)

オロ様ペットショップにも笑いましたが、
「俺に惚れた雄に大事にされかしずかれ貢がれる生活を夢」見る先輩と、ビビり過ぎているテンゾウに爆笑です!
途中まで、「なんて悪い先輩だよ…」と思いながら読んでましたが、「自分に出来ない事を他人にやらせるほど無能ではない」先輩にテンゾウと一緒に感動をおぼえました!

そしていずれはテンゾウが陽動、先輩がお得意の速攻で切りこんでいくという連携技とか出来ちゃうんだろうかとか、でもそこでもたまにテンゾウは人間に捕まったりして先輩に罵られるんだろうなとか…。
面白かったですー(^^)

まつもとさんん

  • ゆひ
  • 2008-05-15 19:53
  • edit
はい。まさしく吐血モノの素敵イラストでしたので、つい…(半分はのぎわさんに責任がありますが)。

オロ様のセリフはアニメのあのゆっくりした口調で読んでいただきたいです。あの演じ方、味があってすごく好きなんです。

>なんて悪い先輩だよ…
ホントに! 後で何だかんだ言ってますが、実際悪いヤツです。
まつ様のイラストの先輩は男気のありそうなカッコいい先輩だったのに、私が書くと酷い上にやっぱり女王様ぽく…。

ビビリ過ぎてるテンゾウは結構萌えです。
『自分の分が欲しくて二度目行ったら捕まったり』っていうのはのぎわさんのアイデアでひーひー笑いました。
そんなかわいそうなテンゾウも最高~。

*追記*
ところで『俺に惚れた雄に大事にされかしずかれ貢がれる生活』が、『貫かれる』に見えてしまう私は人として終わってますかまずいですか。orz

無題

  • のぎわ
  • 2008-05-19 01:24
  • edit
あんなチロンとお話したことがこんなに素敵に膨らんで、ポップコーン焼いてるの見たような気持ちですよう(;O;)

「テンゾウはほとんど骨だけになった俺のお残しをぺろぺろなめていて、やっぱりそれでは足りなかったらしい。」

のところで異常に萌えたんですが、何なんでしょうか!
お残し・・お残しとペロペロですね★(萌えキーワード・笑)
普通こんな言葉使う状況ないですよねえ・・・使いたいなあ

のぎわさんー

  • ゆひ
  • 2008-05-21 00:07
  • edit
あははは。
ポーン!とはじけました。

『お残し』と『ペロペロ』!
何だか卑猥なにおいがするのは何故でしょう。
『かわいそうでかわいい』そのものですよね、テンゾウ。
ヤマトに育った後には先輩の『お残し』を別の意味で『ぺろぺろ』してそうですが(しかもいっやらしい微笑で先輩を威圧するんだよ!萌える!)。

ぜひのぎわさん式で使ってください。『お残し』と『ペロペロ』。
お名前
タイトル
E-MAIL
URL
コメント
パスワード

× CLOSE

ブログ内検索

フリーエリア

× CLOSE

Copyright © 忍禁書外伝的日々妄想 : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]